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保護者向けQ&A(小児科)

発熱

Q.子どもの熱は何度から受診した方がよいですか?

A.発熱の高さだけで受診の必要性は決まりません。お子さんの年齢や全身状態が重要です

熱は体の免疫反応の一つであり、病原体とたたかうために起こります。子どもの発熱の原因の多くは感染症です。

また、熱の高さ=病気の重症度ではありません。

乳幼児ではウイルス感染によって40℃前後の高熱が出ることも珍しくありません。一方で、次のような場合は早めの受診をおすすめします。

🍎すぐに受診した方がよい症状

  • 生後3ヶ月未満のお子さんの発熱
  • ぐったりしている
  • 顔色が悪い
  • 呼びかけても反応が乏しい
  • 繰り返し嘔吐する
  • 水分がとれない
  • 半日以上おしっこが出ない
  • けいれんを起こした

 

Q.夜間に熱が出たら救急受診すべきですか?

A.比較的元気で水分がとれている場合は、夜間や休日に慌てて受診する必要はありません。

ただし、

  • 呼吸が苦しそう
  • 呼びかけても反応が悪い
  • 水分が全くとれない
  • けいれんを起こした

などの場合は救急受診を検討してください。

迷った場合には、#8000(小児救急電話相談)を利用する方法もあります。

 

Q.解熱剤は何度で使えばよいですか?

A.解熱剤は病気そのものを治す薬ではありません。発熱による「つらさ」を和らげるために使用します。

一般的には、

  • 38.5度以上
  • つらそうにしている
  • 熱のせいで水分がとれない
  • 熱のせいで眠れない

といった場合に使用を検討します。

逆に、39℃以上あっても元気に遊び、水分もしっかりとれている場合は、必ずしも使用する必要はありません。当院でよく処方するアセトアミノフェン(カロナール)は、解熱作用だけでなく鎮痛作用もあります。頭痛やのどの痛みなどがある場合にも使用できます。

 

Q.熱が下がったら登園できますか?

A.解熱してすぐではなく、解熱後24時間程度はご自宅で様子を見ることをおすすめします。

朝に熱が下がっても、午後から再び発熱することは珍しくはありません。

また登園の目安は熱が下がったことだけではなく、

  • 十分な睡眠がとれている
  • 食事や水分が普段どおりにとれている
  • 元気に過ごせている

ことも大切です。

一般的には、解熱して24時間以上経過し、体調が安定している場合には登園可能と考えています。

ただし、インフルエンザ、新型コロナウイルス感染症、水痘など、一部の感染症では法律や学校保健安全法に基づく出席停止期間が定められています。診断された病気によって登園の基準が異なるため、受診時にご確認ください。

 

せき・かぜ

Q.咳だけでも受診した方がよいですか?

A.咳だけの場合でも、症状の程度や経過によっては受診をおすすめします。

子どもの咳の多くは風邪などの急性呼吸器感染症によるものです。しかし、咳の原因はさまざまで、

  • 気管支喘息
  • クループ症候群
  • 異物誤飲
  • アナフィラキシー

など、早めの診察や治療が必要な病気が隠れていることもあります。

特に、

  • 咳で眠れない
  • ゼーゼーしている
  • 息が苦しそう
  • 咳が長引いている

場合には受診をご検討ください。

🍎次のような症状がある場合には早めの受診が必要です

  • 呼吸が苦しく顔色が悪い
  • 肩で呼吸している
  • 鎖骨の上や肋骨の下がへこむ呼吸をしている(陥没呼吸)
  • 咳き込んで眠れない
  • 息を吸うのがつらそう
  • 鼻の穴をピクピクさせて呼吸している(鼻翼呼吸)

🍏保護者の方へ

咳の強さよりも、お子さんが「苦しそうかどうか」を見ることが大切です。

また、咳が2~3週間以上続く場合には、喘息やアレルギーなどが関係していることもあるため、一度ご相談ください。

 

Q.かぜで抗生物質は必要ですか?

A.多くのかぜでは抗生物質は必要ありません。

かぜの原因の多くはウイルス感染です。抗生物質(抗菌薬)は細菌を退治する薬であり、

  • かぜ
  • 多くの咽頭炎
  • インフルエンザ
  • RSウイルス感染症
  • 手足口病

などのウイルス感染症には効果がありません。そのため、抗生物質を飲んでも、かぜを早く治したり、熱を早く下げたりすることはできません。

 

Q.抗生物質を必要以上に使うとどうなりますか?

A.抗生物質は病気の原因となる細菌だけでなく、もともと体の中にいる細菌にも影響を与えます。その結果、抗生物質が効きにくい「薬剤耐性菌」が増えてしまうことがあります。

また、下痢、発疹、アレルギー反応などの副作用が起こることもあります。

 

🍎抗生物質が必要な病気もあります

  • 溶連菌感染症
  • 細菌性肺炎
  • 一部の副鼻腔炎
  • 一部の中耳炎

など、最近感染が疑われる場合には抗生物質による治療が必要です。お子さんの症状や診察所見をもとに、抗生物質が必要かどうかを判断します。

🍏保護者の方へ

「抗生物質を飲まないと治らないのでは?」と心配される方もいらっしゃいますが、多くのかぜは抗生物質を使わなくても自然に回復します。

当院では、お子さんに本当に必要な場合に抗生物質を使用することを心がけています。

 

胃腸炎

Q.嘔吐したら何を飲ませたらよいですか?

A.吐いた直後は無理に飲ませず、少しお腹を休ませてから少量ずつ水分をあげましょう。

胃腸炎では、嘔吐から始まり、その後に下痢がみられることがよくあります。嘔吐を繰り返しているときは、無理に食事をとらせる必要はありません。また、吐いた直後にたくさん飲ませると再び嘔吐してしまうことがあります。

🍎水分補給のポイント

嘔吐した後は、しばらくお腹を休ませてから、スプーン1杯(5ml程度)ずつ少量から始めましょう。少量をのめたら、5-10分ごとに、少しずつ量を増やすようにしてください。

🍎何を飲ませればよいですか?

おすすめは、OS-1、アクアライト、経口補水液など、塩分と糖分を含む飲み物です。水やお茶でも水分補給はできますが、それだけが続くと糖分や塩分不足となり、ぐったりしてしまうことがあります。

🍎赤ちゃんの場合

母乳やミルクを飲んでいる赤ちゃんは、母乳やミルクを少量ずつ飲ませても大丈夫です。

🍎吐き気止めを使う場合

嘔吐が強い場合には、吐き気止めを処方することがあります。吐き気止めは効果が出るまでに30分程度かかります。お薬を使用した後は、30分ほど待ってから、嘔吐が落ち着いていることを確認し、スプーン1杯分から水分摂取を始めましょう。

🍎次のような場合は受診をご検討ください

  • 水分を全く受け付けない
  • 半日以上おしっこが出ない
  • ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が悪い
  • 血便が出る
  • 強い腹痛がある

 

Q.下痢が続くときは受診した方がよいですか

A.下痢だけで元気があり、水分が十分にとれている場合は、自宅で様子をみられることもあります。しかし、下痢が続くことで脱水症状を起こすことがあるため、次のような場合は医療機関を受診してください。

  • 嘔吐が強く、半日以上ほとんど水分がとれない
  • ぐったりしている
  • 水のような下痢が1日に何度も続いている
  • 口や舌が乾いている
  • 涙が出ない
  • おしっこの量が少ない
  • 血の混じった便が出た

🍎下痢のときに気をつけること

下痢のときは、失われた水分と塩分を補うことが大切です。経口補水液(OS-1など)を少量ずつこまめに飲ませましょう。

また、乳幼児では下痢の回数が多いと、おしりがかぶれて皮膚トラブルを起こすことがあります。おむつ交換はこまめに行い、強くこすらずにやさしく拭いてください。ぬるま湯で洗い流してあげるのも効果的です。

おしりが赤くなったり、痛がったりする場合にはご相談ください。

 

Q.病院ではどのような治療をしますか?

A.下痢の多くはウイルス性胃腸炎によるもので、自然に改善します。そのため、病院では症状を和らげたり、腸の回復を助けたりする目的で整腸剤を処方することがあります。一方で、下痢止めは小児では通常使用しません。

🍏保護者の方へ

下痢の回数そのものよりも、

  • 元気があるか
  • 水分がとれているか
  • おしっこが出ているか

が重要です

特に乳幼児では脱水症状が進みやすいため、気になる場合は早めにご相談ください。

 

Q.家族にうつさないためにはどうしたらよいですか?

A.胃腸炎は家庭内で感染が広がりやすいため、手洗いと吐物・便の適切な処理が大切です。

🍎下痢がある場合

下痢便には多くのウイルスや細菌が含まれています。家庭内感染を防ぐために、

  • 石けんを使った手洗いを徹底する
  • トイレのふたを閉めて流す
  • タオルを共用しない

ことを、おすすめします。

🍎嘔吐がある場合

嘔吐物にも感染力があります。床に落ちた吐物が乾燥すると、ウイルスが空気中に舞い上がり、それを吸い込むことで感染することがあります。そのため、吐物はできるだけ早く適切に処理しましょう。

🍎吐物の処理方法

胃腸炎の原因となるノロウイルスなどには、アルコール消毒が十分に効かないことがあります。吐物の処理には、

  • 次亜塩素酸ナトリウム(ハイター、ミルトンなど)
  • 使い捨て手袋
  • ペーパータオル

を使用し、周囲も含めてしっかり拭き取りましょう。

🍎絨毯や布製品に吐いてしまった場合

絨毯や布製品は消毒が難しいため、加熱処理が有効です。アイロンを使用する場合は、85℃以上で1分以上を目安に加熱してください。

🍏保護者の方へ

胃腸炎は症状が治まった後もしばらく便の中にウイルスが排泄されることがあります。症状が改善した後も、こまめな手洗いを続けましょう。

 

保育園・幼稚園・学校

Q.インフルエンザ後はいつから登園できますか?

A.インフルエンザは学校保健安全法により出席停止期間が定められています。「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」は登園・登校できません。

🍏日数の数え方

  • 発症した日を「0日目」と数えます
  • 解熱した日も「0日目」と数えます
  • 「発症後5日」と「解熱後2日(幼児は3日)」の両方を満たす必要があります
  • 実際に登園・登校できるのは、2つの条件のうち遅い方の日付になります

当院でインフルエンザと診断された方には、診察時に登園・登校可能となる日付をご案内しています。ご不明な場合はお気軽にご相談ください。

 

Q.登園許可証は必要ですか?

A.千代田区の公立保育園・幼稚園・小学校では、多くの場合、保護者が記入する登園・登校届の提出となっています。そのため、医療機関で登園・登校許可証を記載する必要はありません。

私立の幼稚園・学校の場合には施設によって対応が異なります。医療機関が記載する意見書や登園許可証を求められる場合もあります。施設から指定された用紙をご持参のうえ受診してください。

 

Q.病児保育はどんな時に利用できますか?

A.発熱、咳、鼻水、下痢、嘔吐などの症状があり、保育園や学校をお休みしなければならない場合にご利用いただけます。

当院の病児保育室では

  • 千代田区にお住まいの方
  • 生後6ヶ月から小学2年生までのお子さん
  • 病気の回復期または病気の経過中のお子さん
  • 保護者の勤務等の都合により家庭で看護が難しい場合

を対象としています。

🍎以下の場合はご利用いただけません

  • 麻疹(はしか)
  • 水痘(みずぼうそう)
  • 新型コロナウイルス感染症
  • 入院が必要と判断される場合

利用方法や予約方法、持ち物などの詳細については、病児保育室のご案内ページをご確認ください。

 

予防接種

Q.熱があっても予防接種は受けられますか?

A.発熱している場合には、通常は予防接種を受けることができません。一般的には37.5℃以上の発熱がある場合には接種を延期します。また、解熱した直後の場合も、お子さんの体調によっては接種を見合わせることがあります。予防接種は体調の良いときに受けることが大切です。

接種できるかどうか迷う場合は、事前にご相談ください。

 

Q.同時接種は安全ですか?

A.はい。同時接種は安全性と有効性が確認されており、日本小児科学会も推奨しています。同時接種によって、

  • ワクチンの効果が弱くなる
  • 副反応が特別強くなる

ということはありません。

🍎同時接種のメリット

  • 必要な免疫をできるだけ早く獲得できる
  • 通院回数を減らせる
  • 医療機関や待合室で他の感染症をもらうリスクを減らせる
  • 接種忘れを防げる

当院ではワクチンの種類や接種スケジュールを確認しながら、安全に同時接種を行っています。接種本数が多くて不安な場合は、お気軽にご相談ください。

 

Q.インフルエンザワクチン接種は毎年必要ですか?

A.はい。インフルエンザワクチンは毎年の接種をおすすめしています。その理由は、

  • 流行するウイルスの種類が毎年変化すること
  • ワクチンによる免疫が徐々に低下すること

の2つです。インフルエンザワクチンは、そのシーズンに流行すると予測されたウイルス株をもとに製造されています。また、ワクチン接種によって得られる免疫は永続するものではなく、一般的に予防効果が期待できる期間は接種後2週間頃から約5か月程度とされています。

 

Q.ワクチンを打てばインフルエンザにかからないのですか?

A.インフルエンザワクチンは、感染を100%防ぐものではありません。そのため、接種していてもインフルエンザにかかることがあります。

しかし、

  • 発症を予防する
  • 症状を軽くする
  • 肺炎や脳症などの重症化を防ぐ
  • 入院や死亡のリスクを減らす

といった効果が期待されています。

🍎千代田区の助成制度について

千代田区に住民票のある生後6か月から高校3年生相当年齢までのお子さんは、インフルエンザ予防接種費用助成の対象となっています。また、2025年度からは経鼻弱毒生インフルエンザワクチン(フルミスト)も助成対象となっています。

助成制度の詳細や最新情報については、お住まいの自治体の案内をご確認ください。

🍏当院からのメッセージ

インフルエンザワクチンは「絶対にかからないためのワクチン」ではなく、「かかりにくくし、重症化を防ぐためのワクチン」です。

特に乳幼児や基礎疾患のあるお子さんでは、毎年の接種をおすすめしています。

 

 

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